IAJapanのJavaOne2006報告会に行ってきました。プログラムは↓こんな感じ。
http://www.c-sq.com/modules/article/article85.html
最後の座談会が面白かったので会話の内容を抜粋して紹介します。ゲストは丸山先生と櫻庭さんで、司会はComponentSquareの田村さんでした。オフィシャルからレポートと(可能ならば)WebCastを配信するとのことなので、正しい内容はそっちで確認してください:)
- 今年のJavaOneのキーワードは~Mattersだったわけですが、みなさんにとってのJavaOneのMatterは何ですか?
大山:友達に会うこと。JavaOneでしか会えない友達もたくさんいる。
櫻庭:人に会うことって先に言われてしまったので、Java in the Boxを主催している身として最新情報を仕入れること。BoFとか、会場で人と話すだけでもUnOfficialな情報が出て来るので、そういうところで情報をゲットする。
石原:刺激を受けること。あとは友達と飲んで本音を聞き出す。本音の話は現地で実際に会ってみないと引き出せない。
丸山:僕は去年までサンフランシスコのJavaOneに行くのはずっと避けてきたんだけど、それは日本にいればインターネット経由で同時にいくつものセッションを追えるのに、現地に行っちゃうと1つのセッションしか出られないから。だからサンフランシスコに行く最大の目的はアメリカに行くいい機会っていうことかな。あとは友達とか知り合いとの交流の場。
河村:とにかく楽しいことが重要。テクノロジーっていうのは楽しいものであるべき。
- 鈴木さんと木村さんは今年初めてとのことですが、行く前と実際に行ってみての印象の違いなどもできたら教えて下さい。
鈴木:自費で行くにはお金がかかりすぎるので、行く前はそれだけの価値があるのか不安だった。実際行ってみたら日本でやるイベントとは全然違って大きな収穫があった。テクノロジーを学ぶ場としてみんなで楽しんでいる。やはりみんなで盛り上がるという空気は現地に行かないと味わえない。
木村:日本でも何度かJavaOneが行なわれているけど、やはり現地のものは規模が違う。技術的な話は正直半分は知ってる話で、しかも全て英語なので情報収集として行くとなると難しいし、突っ込んだ話が理解できないのが悔しい。
- 今年のJavaOneは特にコミュニティ色が強く出ていたという印象がありますが、現地に行ってコミュニティを感じる瞬間ってどんなときですか?
石原:いろんな形のコミュニティがあると思うけど、例えばランチ会場で隣になった人との会話とか、空港から市街に行くまでの間とか、Javaの開発者らしき人を見るとつい話かけたくなる。そういうのがうれしい。
大山:毎年JavaOneに行っていると仲のいい人と行動パターンが同じになることが多い。例えばこういう場で普段から顔を会わせる人なんか、みんな同じセッションを追ってたりする。これもコミュニティ形成の一つの形なのかなぁと。
木村:私はJCPメンバーの一人なのでJCP絡みで強くコミュニティを感じた。あとは、会場で知らない人にも気楽に話しかけられる雰囲気が日本のイベントとの大きな違いだと思った。
鈴木:ミーハーなんですが、普段MLなどでよく名前を見掛ける有名人を実際に目にしたときとか面白く感じた。
- 日本とアメリカのコミュニティの違いってどういうところにあると思いますか?
丸山:まずパワーが全然違う。開発者中心で形成されていて活気がある。日本のもパワーはあるんだろうけど、悪く言えば企業の中に埋もれてしまっている。
石原:(スピーカーを選ぶ立場からすると)まず日本人だからとか国籍で区別するのはそもそもナンセンス。確かに言葉の壁はあるが、アメリカ人でも鈍りがひどい人は多い。もしJavaOneセッションで話したければ、とにかく応募すること。
- 去年のJavaOneと今年のJavaOneではどんなところが違うと感じましたか?
河村:ジェネラルセッションが各社とも静かだった印象がある。コミュニティを前面に出して、企業としての宣伝を極力避けていた感じ。
石原:Javaのコミュニティは昔から宣伝色を嫌う傾向がある。企業もそのことをわかってきたのではないか。
- ここ2、3年でJavaが成熟してきたと感じる部分はありますか?
丸山:成熟というか、巨大化してきて個人で全体をフォローできなくなったのが少し寂しい。いろんな場面でJavaが使われるのはうれしいんだけど、これより大きくなったらどうなっちゃうのかと思ったりもする。
石原:Javaはこれまでもしたたかにいろんなプロトコルを取り入れて来た。これは今に始まったことじゃなくて、昔から他のさまざまな技術のいいところを取り込むのがうまいのがJava。それが成熟につながっているのかなと。
大山:言葉は凄く悪いんだけど、Javaっていうのはアウトローになった技術を寄せ集めて、それらをJavaの上に乗せて持ち上げて世に出してきたようなところがある。そういう素養はもともとあって、今にはじまったことではないかなと。
星:成熟したかどうかといえば成熟していなければこんなセッションなんかやっていないわけで、成熟したからこそ逆にJava技術者の中には「Javaはもうそろそろいいんじゃないの?」と考えている人も多いかもしれない。だからここで止まってしまってはNext COBOLなってしまう。だからこそ「Next 10 Yers」をちゃんと見据えないといけない。あとはイノベーションは常に外から湧き上がるものなので、Javaの外から新しいJava技術が出て来ることを受け入れないといけない。
- 参加者の方の中で、JavaOneサンフランシスコについてスピーカーに聞いておきたいことがある人はいませんか?
質問者:スピーカーになっても参加費は払うんですか?
石原:JavaOneのネックは非常にお金がかかること。でもスピーカーになれば
渡航費用から参加費まで全て出る。食事もスピーカー用にはおいしいものが出る。
質問者:JavaOne Tokyoのときは質疑の時間が短くて会場の外で質疑を受け付けるという形でしたが、SFではセッション内に質疑の時間があるという話でした。Tokyoのときはやはり日本仕様にしたっていうことでしょうか?
丸山:SFのセッション会場で面白いのは、会場内にマイクが2本立ててあって、
セッションの最後に自由に質問できるようになっていること。ここから非常に
積極的に質問が出る。日本で同じことをやっても質問が続くかどうかはわからない。
櫻庭:英語がネックと言うけど、日本人じゃなくても質問する人の中には何を言っているのかわからない人がいる。それでもとにかく積極的。あと、BoFの中にはQ&Aのためだけのセッションもあるくらいで、それでも時間をオーバーするくらい活発に質問が出る。これは日本だと難しいかも。
石原:セッションのレギュレーションについては日本もSFも違いはないが、日本のスピーカーは時間をいっぱいまで使う傾向にある。
- 食事のこと以外でJavaOneの嫌いな部分にを教えて下さい。
大山:年寄りにやさしくない。朝早いし夜遅いしでとにかく体力勝負。
河村:特に一日中英語で過ごさなければならないので、ネイティブじゃない我々にとっては余計に疲れる。
櫻庭:私にとってはそれが面白いですが。ただ、食事の時間がないのだけは何とかして欲しい。
- 最後にまだJavaOneに参加したことのない人に向けて一言ずつお願いします。
大山:とにかく楽しいです。
櫻庭:楽しいことかどうかは、自分からどれだけ働きかけたことによる。積極的になればそれだけ楽しめる。
石原:日本のJavaOneとは全然違う。日本にもSFの雰囲気を持って来ようとはしているけど全部は無理。SFに行かないと得られないものがある。
丸山:Javaで仕事している人にとっては聖地礼拝みたいなものだと思って行ってみたらいいかも。
河村:あまりストイックに参加しない方が楽しめるかもしれない。サンフランシスコにはJavaOne以外にも楽しめるスポットがたくさんあるし、企業やコミュニティのパーティに参加するのも大事。
鈴木:英語ができないと不安になるが、それは行ってしまえば何とかなる。日本人の参加者も結構いるし、テクニカルな話題なら専門用語とJava語で何とか理解できる。現地に行くだけでモチベーションが高まるので、ぜひ行った方がいい。
木村:セッションと取りすぎると体がもたない。息抜きをしながら気楽に参加するのもいいと思う。英語は行ってしまえば何とかなる。