Q:「もしJavaに対して何でもできる魔法の杖を持っていたら何がしたい?」
A:「JWebPaneを通してWebKitをJavaプラットフォームに取り込みたいね」
JWebPaneは昨年構想が発表されたSwing(そしてJavaFX)のためのコンポーネントで、WebKitを利用してJavaアプリケーションにWebブラウザ機能を持たせることができるようにしようというものです。多くの人が待ち望んでいたであろう試みなのですが、残念ながら発表以来ほとんど情報が出てきておらず、どこまで開発が進んでいるのかいまいちよくわかりません。
JWebPaneのアーキテクチャについては、プロジェクトリードであるAlexey Ushakov氏のブログで少しだけ言及されています(これももう数ヶ月前のことですが)。
JWebPane project, a browser plugin for Swing and soon FX | Java.net
要するにWebKitで提供されるレンダリング、ネットワーキング、タイマー、イベントの各APIに対して、JNIを利用してJavaプログラムとの橋渡しをする実装を用意するということです。これ自体はごく自然な発想ですね。まずはそれをベースとし、JavaScriptやDOMアクセスなどについては後から追加するとのことです。
James Strachan氏も指摘しているように、完成度にこだわらずとにかく早く最初のリリースをして欲しいというのが開発者の本音でしょう。ベースになるものが公開されればコミュニティが開発を手助けできるので、完全な実装である必要はないわけですね。Alexey Ushakov氏のコメントによると、具体的なスケジュールはまだ示せないものの、公開のためのライセンスに関する問題はすでに解決しており、マーケティング上の決定を待っている段階だとのことです。とりあえず開発の進捗くらいは知りたいところです。